プロ野球 伝説の名勝負 10選!

日本中がフィーバーした、運命の「10.8決戦」

日本中がフィーバーした、運命の「10.8決戦」 写真

1994年のセ・リーグペナントレース。巨人、中日の両チームはともに最終戦(130試合目)を残し、69勝60敗で同率首位に並んだ。残りの1試合は10月8日の名古屋球場での直接対決のみとなり、この試合に勝利した方がリーグ優勝。俗に言う「10.8決戦」となったのだ。同率で並んだ2チームが最終戦の直接対戦で優勝を決するのは、永い歴史の中でも、これ1度きりの出来事だった。

中日はエースの今中慎二、巨人は三本柱の一人、槇原寛己の先発で始まったこの試合は『国民的行事』(長嶋茂雄監督命名)と呼ぶに相応しく、TV視聴率はプロ野球史上最高の48%、瞬間最高は何と67%(関東地区)を記録。日本中を巻き込んだ一大イベントと化した。

死闘の幕開けは2回。落合博満の本塁打などで巨人が2点を先制すると、その裏、中日も4連打などで同点に。すると巨人ベンチは先発の槇原を早々とあきらめ、2日前に6回を投げたばかりの斉藤雅樹をマウンドに送る。この年の斉藤は防御率1.04の数字が示す通り、無死一、二塁ピンチを切り抜けると、ベンチの期待に応えて5回1失点の好投を見せた。3回、先頭バッターが出塁すると、松井秀喜へのサインは何と送りバント。続く落合はベンチの執念に応え、勝ち越しタイムリーを放つが、その裏、ゴロを捕球する際に足を滑らせ負傷退場。大事な一戦、しかも3回で巨人は4番打者を失ってしまう。しかし、このアクシデントで奮起した打線は、4回に村田真一、コトーの本塁打で2点を追加。5回には松井の本塁打が飛び出し4点差とするも、6回に中日・彦野利勝のタイムリーで3点差に詰め寄る。

試合は終盤へ。7回裏、さすがに疲れの見え始めた斉藤に代わって、中2日の桑田真澄がマウンドに上がる。中日も立浪のヘッドスライディング(このプレーで左肩を脱臼し負傷退場)など執念で食い下がるも、桑田の前に得点を挙げられずに、そのまま6-3で試合終了。結局この年チームの勝ち星の半分以上を挙げた三本柱をすべて投入した巨人の執念が中日を上回った形となった。

試合時間3時間14分。日本中を巻き込んだ『国民的行事』は、巨人が4年ぶりのリーグ制覇を果たし、長嶋監督が名古屋の夜空に舞った。

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