3年連続で西鉄vs巨人の同カード対決となったこの年の日本シリーズ。三原脩(西鉄)と水原円裕(巨人)の両監督の因縁から「巌流島の決闘 第3章」と注目が集まった。
第1戦をエース稲尾和久で落とした西鉄は、続く第2戦も敗戦、第3戦に再び稲尾を先発させるも、巨人藤田を打ち崩せずに1-0の完封負けを喫し3連敗と後のない状況に追い込まれてしまう。
この絶体絶命の状況の中、三原監督は「今シリーズは稲尾と心中!」と覚悟を決める。降雨順延後に迎えた第4戦。シリーズ3度目の先発マウンドにのぼった稲尾は、4失点ながら完投勝利。続く第5戦にも0-3と劣勢の4回からリリーフ登板し、延長10回には日本シリーズ初のサヨナラ本塁打を自らのバットで放ち、勝利投手となった。
舞台を後楽園に移した第6、7戦にも2日連続で先発のマウンドにのぼり、連続完投勝利。西鉄奇跡の大逆転勝利の立役者となった。稲尾は実に7試合中6試合で登板し、第3戦以降は5連投4完投。現代野球ではありえない、まさに大車輪の活躍で「神様、仏様、稲尾様」という有名なフレーズが生まれたのだ。